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トーマス デューク その後

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全くダートに適応できなかったあまりの惨敗ぶりにBCクラシック出走は御破算となってしまい、そのまま帰国して休養入りした。3歳時の成績は6戦3勝だった。EPテイラーS(加GⅠ)・シープスヘッドベイS(米GⅡ)・キルボイエステイトS(愛GⅢ)クイーンエリザベスⅡ世C(香GⅠ)・香港スチュワーズC・香港チャンピオンズ&チャターC・香港ジョッキークラブC(香GⅡ)伊ジョッキークラブ大賞(伊GⅠ)・ミラノ大賞(伊GⅠ)・ローマ賞(伊GⅠ)・伊ダービー(伊GⅡ)・フェデリコテシオ賞(伊GⅡ)2回・カルロダレッシオ賞(伊GⅢ)2歳6月に愛国ティペラリー競馬場で行われた芝7ハロン100ヤードの未勝利戦で、キーレン・ファロン騎手を鞍上にデビュー。単勝オッズ2倍の1番人気に支持された。レースでは逃げる単勝オッズ3.25倍の2番人気馬ガランタスを追って2番手を走った。そして残り2ハロン地点で先頭に立つと、2着に粘ったガランタスに1馬身差をつけて勝ち上がった。レースでは単勝オッズ17倍の最低人気だったアルティウスが逃げを打ち、本馬は2番手を追走した。レース中盤でアルティウスが失速すると代わりに先頭に立ち、そのまま先頭で直線に入ると押し切り、2着となった同厩の単勝オッズ9倍の4番人気馬マウンテンに1馬身半差をつけて勝利した。本馬より人気を集めていた3頭は揃って惨敗した。また、後に本馬と幾度も対戦するユームザインはここでは単勝オッズ10倍の5番人気で、結果はマウンテンから短頭差の3着だった。レースは2番人気ながらも半ば本馬のペースメーカー役としての出走だったらしいスコーピオンがスタートから先頭に立ち、ムルタ騎手騎乗の本馬は中団待機策を選択した。そして残り3ハロン地点で仕掛けて直線に入ってきた。そして先に先頭に立っていたマラーヘルを残り1ハロン地点でかわして先頭に立ち、2着に追い上げてきたユームザインに4馬身差をつけて圧勝した。わざわざ東洋まで来て何もせずには帰れない本馬は、急遽香港に向かい、香港ヴァーズ(香GⅠ・T2400m)に参戦。香港競馬会は、本馬のEVA陽性反応はワクチン接種によるものであり、レース出走に問題はないという柔軟な対応を取った(香港競馬会と大きく異なる日本中央競馬会のお役所的対応に批判が出たのは言うまでもない)。BCターフで3着だったレッドロックス、本馬が勝ったこの年のガネー賞3着後に頭角を現してマンノウォーSを勝ちシンガポール航空国際C・アーリントンミリオン・英チャンピオンSで各3着していたドクターディーノ、バーデン大賞・ドバイシティオブゴールドの勝ち馬で加国際S3着のキハーノ、香港ダービー馬ヴァイタルキングなどが対戦相手となった。ムルタ騎手が騎乗する本馬が単勝オッズ1.7倍の1番人気、レッドロックスが単勝オッズ6.8倍の2番人気、ドクターディーノが単勝オッズ8.75倍の3番人気となった。しかしレースでは、臨戦過程の悪さに加えて、スタートの出遅れ、道中の不利など悪条件が重なり、直線入り口10番手から辛うじて7着まで追い上げてくるのが精一杯だった。本馬より4馬身3/4差ほど前でゴールして勝利したのはドクターディーノだった。ベッティングワールドオークス(南GⅡ)・ゴールドサークスS(南GⅡ)次走は、愛ダービー以来の12ハロン戦となるキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(英GⅠ・T12F)となった。対戦相手は、パリ大賞・英セントレジャー・コロネーションCの勝ち馬で愛ダービー2着の同厩の5歳馬スコーピオン、前年の英国際Sで本馬に先着する2着した後にハードウィックS・ジョンポーターS・ハクスレイSを勝っていたマラーヘル、バーデン大賞・メルセデスベンツ大賞の勝ち馬で前走サンクルー大賞3着のプリンスフローリ、前年の英国際S5着後に伊ジョッキークラブ大賞を勝っていたレイヴロック、タタソールズ金杯3着後に出走したサンクルー大賞では5着だったユームザイン、カドラン賞・ロンズデールC・ドンカスターC・ヨークシャーCの勝ち馬サージェントセシルの計6頭だった。しかし同年の欧州クラシック競走勝ち馬の参戦なども無く、はっきり言ってしまうと同競走としてはかなり層が薄かった(前年まで30年以上同競走のスポンサーだったダイヤモンド会社デビアスが撤退して賞金が下がったことが影響しているかもしれない)。本馬が単勝オッズ2.25倍の1番人気、スコーピオンが単勝オッズ4倍の2番人気、マラーヘルが単勝オッズ7倍の3番人気、プリンスフローリが単勝オッズ11倍の4番人気となった。今回はドラゴンダンサーがスタートから先頭に立って逃げた。一方、今までは先行する場合が殆どだった本馬だが、ここで騎乗したファロン騎手は、馬群の中団につけた。そして6番手で直線を向くと、残り2ハロン地点で仕掛けて残り1ハロン地点で先頭に立ち、2着に追い上げてきたジェントルウェーヴに3馬身半差をつける完勝で、GⅠ競走初勝利を挙げた。次走は凱旋門賞(仏GⅠ・T2400m)となった。本馬を破った英国際Sから直行してきたオーソライズド、愛ダービーを9馬身差で圧勝し前哨戦のニエル賞も勝ってきたノアイユ賞・チェスターヴァーズの勝ち馬で同厩のソルジャーオブフォーチュン、パリ大賞の勝ち馬でニエル賞3着のザンベジサン、アスタルテ賞・ヴェルメイユ賞・オペラ賞・コリーダ賞の勝ち馬でサンクルー大賞・ナッソーS・フォワ賞2着の前年のカルティエ賞最優秀3歳牝馬マンデシャ、ゲルリング賞・シャンティ大賞・ラインラントポカルと3連勝中のサデックス、直前に故障して回避したマンデュロの代役として出走してきたケルゴルレイ賞・リューテス賞の勝ち馬ゲッタウェイ、ニエル賞で2着してきたパリ大賞3着馬サガラ、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS2着後に出走したバーデン大賞では4着だったユームザイン、前年の愛ダービーで本馬の4着に敗れた後は全体的に今ひとつだったドラゴンダンサーなどが対戦相手となった(日本から参戦予定だったウオッカとメイショウサムソンの2頭はいずれも回避した)。凱旋門賞は3歳馬と古馬の斤量差が大きいため、古馬よりも3歳馬のほうが優勢(実際に過去20年間で3歳馬が14勝していた)と判断され、オーソライズドが単勝オッズ2.1倍の1番人気、ソルジャーオブフォーチュンが単勝オッズ4.33倍の2番人気で、ファロン騎手騎乗の本馬は単勝オッズ6.5倍の3番人気に留まった。また、数日前からの悪天候により馬場状態が悪化しており、陣営がそれを懸念していた事も人気を落とす一因となっていたようである。それから2週間後にはレーシングポストトロフィー(英GⅠ・T8F)に出走した。ベレスフォードSを勝ってきた同厩馬セプティムス、2戦無敗のウイングドキューピッド、前走オータムSで3着だったアラビアンプリンスなどが対戦相手となった。セプティムスが単勝オッズ1.83倍の1番人気、ウイングドキューピッドが単勝オッズ5.5倍の2番人気、ムルタ騎手が騎乗する本馬が単勝オッズ6倍の3番人気となった。スタートが切られるとウイングドキューピッドが先頭に立ち、本馬はセプティムスと共にそれを追って先行した。しかし残り2ハロン地点で失速してしまい、やはり先行して残り1ハロン地点で先頭に立って勝利した単勝オッズ21倍の最低人気馬パレスエピソードから6馬身3/4差の6着に敗れた。次走はタタソールズ金杯(愛GⅠ・T10F110Y)となった。対戦相手は前走ガネー賞よりも一枚上手であり、前年の英国際Sで本馬を破ったノットナウケイト、デリンズタウンスタッドダービートライアルSで本馬の3着した後にオイロパ賞・グレートヴォルティジュールSを勝ち前走ドバイシーマクラシックで3着してきたユームザイン、アメジストSを勝ってきたダナク、前年の愛チャンピオンSで本馬の4着に敗れた後に2度目のグラッドネスS制覇を果たしてきたムスタミート、アレッジドS2着後に出走したムーアズブリッジSでも2着だったフラカス、愛1000ギニー馬ナイタイムなどが出走してきた。しかし英チャンピオンS・ゴードンリチャーズSと続けて着外だったノットナウケイトよりも連勝中の本馬のほうが評価は高く、本馬が単勝オッズ1.5倍の1番人気に支持され、ノットナウケイトとユームザインが並んで単勝オッズ8倍の2番人気となった。レースは好スタートを切ったノットナウケイトが2番手を先行して、ヘファーナン騎手騎乗の本馬はそれを見るように3~4番手を追走した。そして直線に入ると先に抜け出したノットナウケイトを追撃したが、最後まで追いつくことが出来ずに、頭差の2着に敗れた(3着ユームザインには4馬身先着した)。スタートが切られるとオブライエン師が用意したペースメーカー役のレッドロックキャニオンが先頭に立ち、これも半ば本馬のペースメーカー役だったデュークオブマーマレードが2番手で、本馬は馬群の中団やや後方に控える競馬となった。そして直線入り口3番手から追い上げて、残り1ハロン地点でデュークオブマーマレードを差し切った。最後は2着デュークオブマーマレードに1馬身半差をつけて勝利を収め、1976年の同競走創設以来史上初の2連覇を達成した。同競走史上初の3連覇を達成したファロン騎手は本馬を「私が今までに乗った中でも最高の馬です」と賞賛した。キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSは対戦相手の層が薄かったし、凱旋門賞はかなり後味が悪い結果ではあったが、それでも重い斤量を課せられる古馬になってこの2競走を制した事実には変わりが無く、「British Horseracing Authority(英国競馬統括機構)」のアンドリュー・スコット氏は、2000年以降の欧州競馬においてはトップクラスの名中距離馬であったと評している。次走の愛ダービー(愛GⅠ・T12F)では、仏ダービー馬ダルシ、伊ダービー・ノアイユ賞の勝ち馬ジェントルウェーヴ、ガリニュールSを勝ってきたプエルトリコ、仏ダービー2着馬ベストネーム、英ダービー2着馬ドラゴンダンサー、同6着馬ベストアリバイ、同8着馬マウンテン、デリンズタウンスタッドダービートライアルSでは本馬の8着最下位に終わっていたエリオスタティックなどが対戦相手となった。英ダービーの上位人気組が揃って不在だったため、本馬が押し出されて単勝オッズ5.5倍の1番人気となり、ダルシが単勝オッズ6倍の2番人気、ジェントルウェーヴが単勝オッズ6.5倍の3番人気、ベストネームが単勝オッズ7.5倍の4番人気、ドラゴンダンサーが単勝オッズ8倍の5番人気となった。古馬として49年ぶり史上3頭目となるキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS・凱旋門賞の同一年ダブル制覇を達成するスタートが切られると、オブライエン師が用意したペースメーカー役のソングオブハイアワサとイエローストーンの2頭が先頭を引っ張り、その2頭を見るようにソルジャーオブフォーチュンが3~4番手につけた。一方の本馬は後方4番手を走り、オーソライズドは異常に行き脚が悪く最後方からの競馬となっていた。そのままの態勢で直線に入ると、本馬は馬群の外側を通って豪快に伸びてきた。残り300m地点で右側に斜行して、ザンベジサンの進路と交差する場面があったが、ファロン騎手は構わずに本馬を追い続けた。残り200m地点で内埒沿いを走っていたソルジャーオブフォーチュンに並びかけて前に出たが、その際にもソルジャーオブフォーチュンの進路と一瞬交差する場面があった。ソルジャーオブフォーチュンをかわして先頭に立った本馬を目掛けて後方からユームザイン、サガラ、ゲッタウェイなどの人気薄勢が強襲してきた。特にユームザインが残り200m地点から繰り出した末脚は素晴らしく、本馬をかわすほどの勢いだった。最後はユームザインに頭差まで迫られたが何とか凌いでトップゴールを果たした。競走成績:2~4歳時に愛英米仏香で走り通算成績20戦10勝2着4回3着1回3歳時は英ダービーを目標として、5月のデリンズタウンスタッドダービートライアルS(愛GⅡ・T10F)から始動した。レパーズタウン2000ギニートライアルS2着馬エリオスタティック(後に本馬と対戦することになるソルジャーオブフォーチュンの全兄)、ベレスフォードS2着・レパーズタウン2000ギニートライアルS3着のレカーブ、愛ナショナルS・バリサックスS2着のゴールデンアロー、ベレスフォードS・バリサックスS3着のアルティウスなどが主な対戦相手となった。エリオスタティックが単勝オッズ3.75の1番人気、レカーブが単勝オッズ4.5倍の2番人気、ゴールデンアローが単勝オッズ5.5倍の3番人気、シーミー・ヘファーナン騎手とコンビを組んだ本馬は単勝オッズ6.5倍の4番人気止まりだった。4歳時は4月にカラー競馬場で行われたリステッド競走アレッジドS(T10F)から始動した。目立つ対戦相手と言えば、前年の愛ダービーで本馬の7着に敗れた後にメルドSを勝っていたエリオスタティック、デリンズタウンスタッドダービートライアルS・サンダウンクラシックトライアルSの勝ち馬でラインラントポカル2着の5歳馬フラカスくらいだった。ヘファーナン騎手が騎乗する本馬が134ポンドのトップハンデながらも単勝オッズ1.53倍の1番人気に支持され、132ポンドのエリオスタティックが単勝オッズ5倍の2番人気、127ポンドのフラカスが単勝オッズ10倍の3番人気となった。スタートが切られるとエリオスタティックが先頭に立ち、フラカスがそれを追って先行したが、ヘファーナン騎手は本馬を意図的に抑えた。そして5番手で直線を向くと、残り2ハロン地点で仕掛けて残り1ハロン地点であっさりと抜け出し、2着フラカスに3馬身差で勝利した。それまでは先行する場合が多かった本馬だが、このアレッジドS以降は中団待機策が増えることになる。次走のプリンスオブウェールズS(英GⅠ・T10F)には、ノットナウケイト、前年のBCターフでハリケーンランを着外に沈めて勝っていたゴードンリチャーズSの勝ち馬レッドロックス、英ダービー以降3戦続けて着外と不振に陥っていたサーパーシーに加えて、イスパーン賞・ジャックルマロワ賞2着・ガネー賞・プリンスオブウェールズS・ムーランドロンシャン賞3着など7戦連続2・3着の善戦馬状態からアールオブセフトンS・イスパーン賞と連続圧勝して開花した独国出身の大物マンデュロも出走していた。アンドレ・ファーブル調教師をして「かつて私が手掛けた最高の馬」とまで言わしめたマンデュロが単勝オッズ2.875倍の1番人気に支持され、ムルタ騎手騎乗の本馬が単勝オッズ3倍の2番人気、レッドロックスが単勝オッズ5倍の3番人気、ノットナウケイトが単勝オッズ7.5倍の4番人気となった。スタートが切られると単勝オッズ12倍の5番人気まで評価を落としていたサーパーシーが逃げを打ち、ノットナウケイトやマンデュロが先行。スミヨン騎手騎乗の本馬はそれをマークするように4番手を追走した。そして直線に入るとノットナウケイトを置き去りにして抜け出したマンデュロを追撃したが、またしても最後まで追いつくことが出来ずに、1馬身1/4差の2着に敗れた(3着ノットナウケイトには4馬身先着した)。次走は同月末のガネー賞(仏GⅠ・T2100m)となった。対戦相手は、ドーヴィル大賞の勝ち馬アイリッシュウェルズ、ハンザ賞などの勝ち馬でバーデン大賞・オイロパ賞2着のエジャートン、アルクール賞・ギシュ賞の勝ち馬ボリスデドーヴィル、エクスビュリ賞を勝ってきたパールスカイ、この時点では殆ど無名だったドクターディーノなど実績的に本馬より格下の馬ばかりだった。クリストフ・スミヨン騎手とコンビを組んだ本馬が単勝オッズ1.44倍の1番人気に支持され、アイリッシュウェルズが単勝オッズ6倍の2番人気、エジャートンが単勝オッズ10倍の3番人気となった。ここでは馬群の好位4番手を追走し、直線に入ると残り400m地点で仕掛けて、残り150m地点で難なく抜け出した。そして2着アイリッシュウェルズに2馬身差をつけて、2分07秒9のコースレコードで完勝した。このレースを最後に4歳時10戦5勝の成績で競走馬を引退した。香港ヴァーズの数日前に発表された欧州競馬の年度表彰カルティエ賞においては、年度代表馬・最優秀古馬を受賞した。コロネーションC(英GⅠ)・ボスフォラスC(土GⅡ)・グロリアスS(英GⅢ)・カンバーランドロッジS(英GⅢ)次走は9月にレパーズタウン競馬場で行われたレヴィS(T7F)となった。ここでもファロン騎手を鞍上に、単勝オッズ3倍の1番人気に支持された。今回も2番手を追走し、残り2ハロン地点で先頭に立った。その後に大きく右によれる場面があったが、後方から追ってきた単勝オッズ11倍の5番人気馬ロイヤルパワー(後の独2000ギニー馬)の追撃をなんとか3/4馬身抑えて勝利した。レースではスタートで後手を踏んでしまい、ムルタ騎手が少し追って位置取りを上げて、馬群の中団やや後方につけた。そして三角から四角にかけて上がっていこうとしたが、反応がかなり悪く、位置取りを上げきれないまま4番手で直線を向くことになった。そして直線でも伸びずに、勝ったイングリッシュチャンネルから8馬身3/4差の5着に大敗。前年のジョッキークラブ金杯でも惨敗しており、本馬は米国で結果を残す事は出来なかった。スタートが切られるとアトランティックウェーヴスが逃げを打ち、本馬も先行集団に加わった。そしてレース中盤で早くも先頭に立ち、そのままタッテナムコーナーを回って直線に入ってきた。そして外側から並びかけてきた単勝オッズ67倍の13番人気馬ドラゴンダンサーと叩き合いながらゴールを目指した。そこへ後方外側からハラベックとヴィシンダーが叩き合いながらやって来て、さらには11番手で直線を向いたサーパーシーも内側から追い上げてきた。ゴール前ではこの5頭のうち僅かに遅れたヴィシンダーを除く4頭が横一線の大接戦となったが、最内のサーパーシーが僅かに前に出て優勝。短頭差の2着にドラゴンダンサー、さらに頭差の3着に本馬、さらに短頭差の4着にゴール前で外側によれたハラベックが入り、1番人気のヴィシンダーはハラベックから2馬身差の5着、2番人気のホレーショネルソンは直線で故障して競走中止・予後不良となった。その後は引退して種牡馬入りする予定だったが、ジャパンCに招待されたため参戦を受諾、来日した。ところが来日後の検査で馬ウイルス性動脈炎(EVA)の陰性が確認できなかったため、日本と愛国両国間の衛生条件上の輸入規定により、日本への入国が許可されず、ジャパンC参戦が出来なくなってしまった。これは、欧州では種牡馬入りする際にEVAのワクチン接種が義務付けられており、元々BCターフ後に引退予定だった本馬は既にワクチン接種していたために陽性反応が出たものであった。マイケル・キネーン騎手とコンビを組んだ今回は愛ダービーと異なり、それまでどおりの先行策に戻った。そして直線に入ると逃げるチェリーミックスをかわして残り2ハロン地点で先頭に立った。しかしスローペースで上がりの競馬となった事が災いして、最後の末脚勝負で後れを取ってしまい、ノットナウケイト、マラーヘル、ブルーマンデーの3頭に差されて、勝ったノットナウケイトから3馬身3/4差をつけられた4着と完敗した。スローペースで折り合いを欠いた事も敗因だと言われたが、オブライエン師はその見解を否定した。競走馬を引退した本馬は愛国のクールモアスタッドで種牡馬入りした。豪州クールモア・オーストラリアにもシャトルされている。当初の産駒成績は寒かったが、2013年の暮れ辺りから少しずつ実績を上げてきている。馬名は、英国ウェールズの詩人ディラン・トーマス(英語圏では20世紀で最も偉大な詩人の一人に数えられるが、過度の飲酒が原因で早世した)に由来すると思われるが、本馬とディラン・トーマスのいずれを紹介した海外の資料にも明記されていないため、筆者は確証を得ることが出来なかった。
トーマス デューク その後 2020