鎌田 チクングニヤのVLPワクチン開発に成功したことで、それが他のワクチンを量産するためのベースとなったわけですね。今後の臨床試験に期待したいと思います。鎌田 確かに、日本で医薬品開発を行う場合、臨床試験などを行うために人を採用せねばなりませんので、特にスタートアップは難しい舵取りを迫られるでしょう。アメリカでは薬剤の製造や試験は外部に任せて、必要な部分に経営資源を集中できるのが良いですね。企業家倶楽部2019年1/2月号 エンジェル鎌田’s EyeVLPワクチンで世界の健康課題を解決/TomyK Ltd.代表 鎌田富久/VLP Therapeutics CEO 赤畑 渉Copyright©2013 起業家倶楽部 All Rights Reserved.赤畑 初めは引き当てたというより、2つのうち1つはできたという感じでしたが、その後240種類を解析してみると、よく最初に1つ当たったものだと自分でも驚きました。もし違う2種類を選んでいたら、240種類も試すことなく「やはりVLPを作るのは難しい」という結論に落ち着いていたかもしれません。一方VLPは、本物のウイルスではないので、感染することはありません。しかし外見上はウイルスと全く同じですから、実際のウイルスがやって来た時には、その構造に私たちの免疫機能が反応し、撃退することができます。1997年、東京大学卒業後、京都大学大学院に進学。HIVワクチンの開発研究を行い、博士号を取得。2002~12 年までアメリカ国立衛生研究所のワクチン研究センターに勤務。VLPを使ったチクングニヤ熱のワクチンを開発する。13年、VLPを駆使した新薬開発のため、米メリーランド州でVLPTherapeuticsを創業。CEOに就任して現在に至る。鎌田 私としては、どんどんチャレンジしてもらいたいと思います。安全策を考えることもあるでしょうが、いずれにせよ元々リスクが高い事業であることには変わりありません。事業を展開していくうちに、応援してくれる人も増えるでしょうし、自ずと進むべき道も見えてくるものです。
世界では毎年2億2800万人がマラリアに感染し、43万人が命を落としている。そのほとんどがアフリカ大陸に集中し、多くは子どもたちだ。だが、ワクチンの効果を疑問視する声もある。臨床試験では、ワクチン接種によってマラリアの発症率が39%減少し、重症患者も29%減少した一方で、他のほとんどの病気の場合、ワクチンの有効率は85~95%と高い。RTS,Sは4回の摂取が必要だが、1回でも逃すと効果が薄れる。病院から遠くに住む家庭の多くは、4回の摂取に通うことも難しい。ワチヤさんは、自分の息子には同じ目に遭ってほしくないと話す。そのために、生後10カ月のプリンス・ジャクソン君を連れて、2回目のマラリアワクチンを打つために病院を訪れた(子どもは、マラリアワクチンを4回に分けて接種する。1回目は生後6カ月、最後のワクチンは2歳で接種)。「これで、息子がマラリアにかかっても、それほどひどくはならないでしょう」と、バイオレットさんは言う。2019年、アフリカのケニア、マラウイ、ガーナで、幼い子どもたちを対象に、世界初のマラリアワクチン「RTS,S」の接種が始まった。35年の歳月と巨額の資金を費やして開発されたワクチンに、欧米の専門家たちは熱い期待を寄せるが、それほどのコストに見合う価値があるのかを疑問視するアフリカの専門家もいる。Q:エベレストの初登頂に挑戦した英国の登山家ジョージ・マロリーは、成功したらあるものを頂上に置いてくると宣言していました。それは何でしょう?ささいなきっかけで、ある日、爆発的に広がる。伝染病はどのように世界に広がり、いかに人類を蹂躙したのか。地図と図版とともにやさしく解き明かす。バイオレット・ワチヤさん(24歳)も、子どもの頃にマラリアに感染した。ワチヤさんはケニア西部の農村に生まれ、家族はサトウキビを栽培し、家畜を育てていた。12歳で重度のマラリアにかかって入院し、学校を退学しなければならなくなった。倦怠感や関節の痛みに襲われ、しばらくすると目がほとんど見えなくなった。家族は飼っていた8頭のウシのうち4頭と、ヤギを数頭売って、3万4000ケニアシリング(約3万4000円)の入院費を工面した。 ・ベンチャー企業の赤畑渉氏が開発したマラリアのワクチンの臨床試験が行われることになった。 ・現在マラリアの治療薬はあるものの、非常に効果であるために安価なワクチンの登場が期待されている。 赤畑 渉(あかはた・わたる) 1997年、東京大学卒業後、京都大学大学院に進学。hivワクチンの開発研究を行い、博士号を取得。2002~12 年までアメリカ国立衛生研究所のワクチン研究センターに勤務。vlpを使ったチクングニヤ熱のワクチンを開発する。 45万人の死者を出す感染症・マラリア。その根絶を目指して、ワクチン開発に挑む日本人研究者・赤畑渉さんは、人で効果を確かめる臨床試験に挑んだ。果たして結果は? 2020年1月26日(日)nhk eテレ「サイエンスzero」で、マラリア根絶を目指しワクチン開発に挑む日本人研究者・赤畑渉さんが2019年9月にアメリカ メリーランド州ウォルターリード陸軍研究所で臨床試験(新しい薬品で安全性や効果を人間の体で確かめる試験)に臨んでいました。 2019年、世界初のマラリアワクチンの接種が始まった。長い間、人類を苦しめてきた感染症の撲滅に期待が高まる一方、その効果を疑問視する声もある。 年間45万人の死者を出す感染症マラリア。 根絶を目指してワクチン開発に挑む日本人研究者・赤畑渉さんが生み出したワクチンは、動物実験で9割の感染を防いだ。 カギとなるのはワクチンの大きさ。